杉野目邸の板金葺き替え工事⑨ 施工完了!!
今年は雨が全然降らない異例な年みたいですね農作物にも影響が出ているみたいです
板金屋としては天候に左右されるので、雨が降らないというのは好都合なのですが・・・・
振り返ってみると雨に当たった回数は、1か月のうち2日しかありませんでした。
本題に入りますが、軒先や棟部の掴み込み、細部の納めが完了しましたので、足場を撤去しました!!
約1ヶ月という施工期間で、仕上がりました。
弊社は、一般住宅や新築の施工が多く、基本的に1日や2日で現場は仕上げてしまう為
ここまで長く現場に通うのは久しぶりでした。
杉野目邸で使用した切り板の枚数は、およそ2000枚になります。
切り板を加工するにあたり、枚数出しを3DのCADを使用して算定しました。
切り板の成形もなかなか大変でしたが、算定したため、多過ぎることもなく、少なくて足りないといった状況にもなりませんでした。
3Dで作成できるなんて便利な時代になりましたね。
何度かブログにも載せていましたが弊社の谷納め、イチオシ部分です
この谷の納め方は神社や寺院などの屋根で使われていることがありますが、ほぼ銅板で施工されています
銅板は柔らかく加工、施工性が良いのです。
杉野目邸はガルバリウム鋼板で施工している為、加工、施工性の難易度が上がります。
が、弊社が得意としている納め方でもあります。
既存の谷も雪の重さでハゼが起こされ何度も修繕された形跡がありました。画像でいうと谷の下部にあたります
雪が降る地で考えなければいけないのが、積雪。
『勾配があるから屋根に雪は積もらないじゃん!』と思った人いるんではないでしょうか
屋根に雪はつもらないのですが、屋根から雪が落ちる時、谷に向かって雪が滑り落ちます(下記写真の様に)
この時、滑り落ちた雪が向かいの掴み込みしているハゼに引っ掛かり、ハゼが起こされます。
雪で押されるなんてありえない、なんて思うかもしれませんが、、、
自然を舐めてはいけません(ブログで何度か登場していますが雪に押されてパラペット折れたり、雪の重みで軒先が折れたりしてましたよね)
基本的には、雪が積もる前に風で流されたり太陽が出てじわじわと溶けたりしますが、
一時に大雪が降ったり、太陽のない時間帯に降り続けた場合、屋根には雪が溜まり、一定の量が積もると流れ落ちます。
何が言いたいかというと
弊社の谷納めは雪が流されてくる方向に掴み込みが無い為、引っ掛かることはありません。
最後の最後に長くなりましたが、、笑
これより『札幌景観資産国登録有形文化財:杉野目邸の板金葺き替え工事』は
施工完了致しましたので、終了となります。
また、杉野目様、工事に関わって下さいました皆様には心より感謝申し上げます。
By そうた
2021年07月20日 09:00
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